初めての患者さんに「いつものように歯を磨いて下さい」というと、たいていの人は1分もたたないうちに終わってしまいます。
永久歯は32本あります。歯は前歯4面、臼歯5面の立体ですから、148面もあるのです。全部を磨くとしたら、1面平均0.5秒よりもっと超スピ〜ドで歯ブラシが通過することになります。歯には、むし歯になりやすいところ、なりにくいところがあります。0.5秒というスピードで通過する歯ブラシは、比較的なりにくいところを通過しているだけで、ぜひ磨かねばならない、汚れやすい部分は素通りしているのです。
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これではブラッシングとはいえません。ブラッシングは特別面倒なことをしようというものではありません。いままで、ただ何となく朝の習慣の一つとして、無批判にやってきたことを、もう一度考え直すということから始めたいのです。
朝食前にやっていたことを朝食後にやってみましょう。順序を変えるだけで、24時間中15分ぐらいしかきれいでなかった口の中が、少なくとも朝食後から昼食までの4時間ほどは、口の中がキレイになります。こんな簡単なことで一歩前進です。
もう一歩前進するために、夕食後ブラッシングを実行してみましょう。それは一日中たまっていた口の汚れを掃除することになります。さらに進んで昼食後にもブラッシングをしましょう。本当に歯垢が取れるブラッシングは一回7〜8分かかります。こうして口の中をいつも清潔にしておくことによって、お口の中の健康は保たれるのです。 |
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