子供たちが手づくりのお菓子に魅力を感じないほど、世の中には豪華で、ぜいたくなお菓子が満ちあふれているでしょうが、これは考えものです。あまり甘くて柔らかいお菓子は心や体もむしばむからです。スナック菓子は別としても、今のお菓子が柔らかくなっていることに気づいていない人はおそらくいないでしょう。おせんべいやおこし、ビスケットだって、昔からあったお菓子ですが、それがいつの間にか柔らかくなってしまったのです。同時に硬さが売り物だったスルメや炒豆(いりまめ)などは、子供のおやつから姿を消してしまいました。いま、スルメを知らない子供もいます。子供たちは今、硬い物に接する機会そのものを失いつつあるようです。 |
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ところでおやつに限らず、食物が柔らかくなると、どうして都合が悪いのでしょう。
ネバネバ、クチャクチャと、くっつく食物が歯にいいはずがありません。
柔らかすぎる食物の害はそれだけではありません。もっと不都合なことは、子供たちから、かむ機会を奪っているということです。よくかまなければアゴの発育、その周囲の筋肉の発育が悪くなり、歯並びが悪くなったり、あくびをしたり、少し硬い物を食べただけでアゴの関節がおかしくなったりします。将来、体のさまざまな不調和の原因ともなります。食物が柔らかくなって、アゴや骨や筋肉がきゃしゃになったためです。かむことをおろそかにしていると本当にかめなくなってしまいます。
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